←戻る

FRIENDS OF MR.CAIRO('81)/Jon & Vangelis

1. The Friends Of Mr.Cairo
2. Back To School
3. Out of This (Inside Of That)
4. State Of Independence
5. Beside
6. The Mayflower
            (JPN)
 私が初めてVangelisを聴いたのは、あの'75年の名盤「HEAVEN AND HELL」、これはテレ朝系の「COSMOS」というTVの宇宙科学番組(何か変な言い方だな)で使われていたのを耳にしたのが切っ掛けです。その頃はごく当たり前の映画音楽と同等程度にしか思ってませんでしたが、アルバム(勿論当時はアナログLP盤)を手に入れて聴いてみるとこれがイイ!(ちなみに私がTVを見て気に入って買ったのはこれと、NHK教育で放送された「ケルト」のENYAのみです)特にA面の最後に入っていたYESのJon Andersonが歌う「SO LONG AGO, SO CLEAR」で一気に私はプログレにのめり込んでいくことになります。勿論当時イエスやELP、クリムソなんかは知ってはいましたが、ZEPおたくだった自分はそれまでプログレなんてほとんど聴いてませんでした。
 そしてその後、Jonが何度かVanのアルバムに参加したり(「SEE YOU LATER」の中のボーカルも大好き)、YESを辞めたりして、'79年ついに私が世界中で最も好きなユニットJon & Vangelisが「SHORT STORIES」というアルバムを出しました。それからベスト盤を除くと全部で計4枚のアルバムを出してます。で'81年に出された「FRIENDS OF MR.CAIRO」は彼等の2作目となるものです。
 この「FRIENDS〜」にはUSジャケットもあって、内容もシングルカットされた「I'LL FIND MY WAY HOME」が追加され、またUK・JPN盤とはA・B面が逆になってます。
  Vangelisの音楽は単純に環境音楽といった枠ではくくれない何か重さがあります。Jonの歌声はとても中性的で、YESもいいんですけどVanのシンセと合わさるとまさにANGEL VOICEそのものに聞こえます。いくつかのアルバムの中で特に私がこれを推すのは楽曲全体の完成度とバランスがいい(UK/JPN盤)のとB面2曲目の「BESIDE」が特に好きだからです。有名な映画「マルタの鷹」をモチーフにした15分に及ぶタイトル曲で最初ッから盛り上げるし、またB面(アナログ的な言い方ですいません、一応CDも持ってるんですけど)1曲目の「STATE OF INDEPENDENCE」はあのドナ・サマーもカバーしたけど、リズム聞いただけでもオリジナルの圧勝。最後の「MAYFLOWER」にもっていく終わり方もまたいい。静と動のコントラストが見事だと思います。
 これに比べると「SHORT STORIES」はいかにも小作品集といった面持ちだし、「PRIVATE COLLECTION」はものすごくきれいで、名曲「ITALIAN SONG」や唯一の大作「HORIZON」なんかもあるけどロック的な緊張感は「FRIENDS〜」の方がやや上かな。「PAGE OF LIFE」はJonのソロにVanが参加したって感じで今いち。ちなみに私は曲の少ないOM TOWN盤の方が好きだけど世間一般はそうじゃないみたい。
 ひとつマニアックな情報を、'91年版の「PAGE OF LIFE」に入っててマニアに人気の「Is It Love」のデモテープが、A.B.W.Hのブートレグ「DIALOGUE」に入ってます。興味ある方はどうぞ。はっきりいって全然おもしろくないけど。


※その他関連お勧めアルバム

Jon&Vangelis

15

SHORT STORIES
('80)

PRIVATE COLLECTION
('83)

BEST OF JON AND VANGELIS
('84)

PAGE OF LIFE
('91)

CHRONICLE
('93)

PAGE OF LIFE
('98) OM TOWN盤

戻る