HONDA VFR400R(NC30) ('89)
上記の写真は私と同じカラー・年式ではありません。手持ちの資料に丁度合う写真がなかったのです。スイマセン。
- XZの変わりを探しにあちこちのバイクショップを回っていました。お金がないのは相変わらずで、結局中古車しかありませんでしたが、いろいろ候補はありました。もちろん変わりのXZがあれば一番良かったのですが、もはやほとんどありません。XLRに乗った経験から、ON・OFF問わず走れるデュアルパーパスなモデルが欲しいとも思いました(ex.TDR250、TRANSALP、KLE、etc.)が、XLRで書いたように、やっぱこの1台ってのは難しい。ある日、とあるYSPのお店を見いてた時、中古コーナーにFZR400Rが安くありました。FZRは試乗会でのスムーズなハンドリングがとても印象的で、パワーフィーリングも素晴らしい、かなり気に入ったバイクでした。その隣にはZX-4のチームグリーン仕様。ライムグリーンのカラーは大好きですけど形は今一ですね。そのまた隣にあったのがこのVFR400R通称NC30です。値段は3車ともほぼ同じ、年式も走行距離もほとんど一緒('89型/6〜8000km位)です。でもなぁ、NSRやCBRに乗った時のハンドリングで感じた違和感があってどうしようか悩んでました。でも当時の人気を考えても一般的にみれば超お買得車にはちがいありません。動かないXZをタダで引き取ってくれるのを条件にこのVFRに決めました。カラーはトリコロール。シードカラーの方が結構出回ってる年式なんですけど、一見するとRC30と間違われるのもちょっと快感だったりして・・・。
とにかく後にも先にも初めてのまんまレーサーレプリカ&マルチV4エンジンです(これから先は分かんないけどね)。FZR・ZX-4と並べても最もコンパクトだし(ホント知らない人なら250ccっていっても通じる位)、当然ポジション的にもムチャクチャきつかった。エンジンもズゴイ！(フルパワーの59ps)4000回転位までは並みの400程度の走りでさすがにV型はトルクフルだと最初はフッフンとか思ってましたが、6000を超えてからがとんでもない。ホント脳みそが置いてかれるってカンジですね。VFRを買ったばかりの時はそれまでのボロボロになったジェットヘルをかぶってたんですが、あまりに危険なのですぐに新品の「きつめ」のフルフェイスを買いにいきました。加速だけなら750バイクともほぼイーブンでしょう。コンパクトなボディとエンジンで、重心位置がかなり前寄りの為、そんなにフロントアップせずに加速できました。とにかく、一般道と高速道路だけならこのロケットゾーンは使わずに済みます、というか、使っちゃいけなかったですね。バックミラーが小さく見にくいので、後ろから2度もパトちゃんに捕まってしまいましたっけ。
心配だった足まわりは意外とイケル。NSRやCBR(実はGSX-Rとかもそう)のフロントに乗っかったような違和感はあまりなく、わりとニュートラルなので安心しました。スタイルの上でも特徴的な片持式プロアームのリアサスはスポーツ走行ではかなり固くふんばっていいんですが、街中でも思ったよりしなやかで、アスファルトのでこぼこも想像するほど痛くはなかったと思います。リアサスに関して言えばホンダのスポーツバイクの中ではベストではないでしょうか(NSRの片持ちは乗ったことないので分かりませんが)。ただやはり「フロントで曲がる」17インチの乗り方は、18インチ人間の私には結局馴染めませんでした。ハンドリングに関してはリアステアのヤマハが今でも一番しっくり来ます(YZF-R6はスゴイ！)。タイヤはずっと純正(ブリヂストン)のラジアルを履いていましたが、相性はいいんですけどね、減りがあまりに早い！それでもラジアルかい！ってなもんでした(フロント/リアとも3〜4000kmで交換、乗り方が悪いのかなぁ。今までのバイクはバイアスだけどK300GP以外はこの倍はもったけどなぁ)。ブレーキは勿論ムチャ効く。最初は慣れなくて、何度大切な部分をぶつけたか。タンクの形がイケないんだ！といってもレプリカはみんな同じですよね。超薄っぺらなシートだから、ツーリングで尻が痛くなるのもレプリカなら当たり前。しかしながらきついポジションでも、実はツーリング時、高い位置にあるタンクの上に手や体をのっけて走ると結構楽に走れます。燃費は通勤でリッター18km前後、ツーリングで24、5kmですかね、このパワーの割にはまぁまぁ並みじゃないでしょうか。
XZと比べちゃいけないけど、こんなエンジンも最高、足まわりも最高のバイクでも、最後まで違和感がつきまといました。勿論いけないのはこのバイクじゃなくて、これを選んだ自分自身なんですけど。XLRを除けば最も短い20,000km弱しか乗らなかったのも、単純に自分が年を取ったせいばかりじゃないと思います。このバイクもジェネレーターがおかしくなり、結局は見ず知らずの人に安く売ってしまいました。そしてEX-4を買うまで、私の足はプジョーレプリカ(っていうとかっこイイけど、要はステッカー貼っただけ)のマウンテンバイクとなりました。
それにしてもこのVFRの59psでスゴイんだから、今時の160kg台の車体に100数十馬力のマシンっていったい・・・と思う今日この頃です。
