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Kawasaki GPz250 ('83)

 18の時に初めてバイクの免許(中型限定)を取って、とにかく最初に買ったバイクがこのKAWASAKI GPz250です。当時はVT250FがRZ250のライバルとして登場し、RZもモデルチェンジ、GP500レーサーNSイメージの2ストV型3気筒を積んだMVX250Fや、さらにまんまレーサーのRG250ガンマが衝撃的にデビューと、まさに250ccクラス全盛の幕開けでした。400ccと違い車検もいらず、初心者でも手軽に乗れる(2スト勢は無理だと思うけど)250ccは、私達当時の貧乏学生にはとってもありがたいものでした。そんな百花繚乱あったクォーターの中で、私が候補に上げたのはこのGPz以外には、前出のVT、GSX250カタナ、XS250、 GS250FW等の4スト勢とまだ在庫整理で残っていた旧型のRZ250でした。この内RZはやっぱり初心者の私の乗り方に全然合わず×、VTはすでに多くの人が乗っていましたがフロント16インチがむちゃくちゃ恐かったのでやめ(それとここだけの話しあの赤いフレームは結構やぐかった。サイドスタンドの地面との接地面が小さく、夏には柔らかくなったアスファルト上にめり込んでコケてて、しかもそうなると必ずといっていい程フレームがよがんでいました)。FWは世界初の250cc4気筒も引かれたけどどう考えても高かったし(47.9万円)、カタナの赤いソリッドカラーはカッコよかったけど、ん〜まぁまだ意外と出回っていなかったXSのYSP仕様(白)にしようかなと思っていたところに、このGPzが最後に登場し「これだ!」とあっさり決定。カラーは少し遅れて出た黒、値段は当時37万円位だったと思います。

 GPzはやっばり1100ゆずりのこの2本ラインがカッコイイですね。同時に出た400や750のカラーリングはあんまりカッコよくなかった(そう思ってたら次のモデルでは400/750と共通のカラーになってしまった)。エンジンはFTゆずりのOHCツインというなんの変哲もないエンジンですが、33psと当時の4ストとしてはFW、VTに次ぐ値だったし軽量ボディもあって峠でもかなり走れたバイクです(バンク角は当時のスーパークォーターとしては並み位)。ポジションはやや前傾ですが、大きめのビキニカウルもあってツーリングにもぴったり。フック付きなのも親切(今では結構当り前だけど)。また18インチ時代最後のスポーツバイクだけあって、ユニトラックの脚回りも素直でとっても乗り易かったことを覚えています。市販のスタピライザーを付けていたのでフロントの剛性感も充分。ベルトドライブはなんの癖もなく、しかも最後までたいした調整もせずにもちました。チェーンでは考えられない耐久性です。フロントのダブルディスクも安心。タイヤは主にダンロップのK300GPを好んで使っていました。減りが早いのが難点ですが、当時としては極めて高いグリップ感と(16インチはダメらしいんだけど)ウェットでも安定していました。それ以外にほとんど改造はしてないですね。
 でもこのバイクの凄いところは意外と知られてないんですが、燃費が驚異的にいいんです。OHCツインというなんの変哲もないエンジンのせいか、絶好調時1日20〜30kmの通学に使ってもリッター35、6kmはいってましたし、ツーリングにいけば40kmまでいきました。そして最高はなんとカタログの定地走行値を上回る48km/P。17リットルの大きめのタンクと合わせて800km近い距離を無給油で走った事がありました。さすがにこれにはビックリ。
 結局都合6年くらい、距離にして12万km走りましたが、その間、最初にコケてハンドルに少しガタがあった以外トラブルらしいトラブルはまったくなく、オイル類やタイヤやディスクパッドなど消耗品のみの交換で済みました。さすがに最後の方は自慢の燃費も27、8km/P位まで落ちましたが。そして、ある日盗難にあい、間もなく発見されましたがボロボロになってしまい、売ってしまいました。それでも下取りで出して、こんなボロをバイク屋は9万円で買い取ってくれたのは、今ではとても考えられないことですよね。それだけ250が中古でも人気だったらしいんだけど、 10万km以上走ったバイクをまた売るとも考えにくいよねぇ。


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